FIELDWORK ONLINE

 ちょっと窮屈な毎日 

IT'S A BIT TIGHT

INTERVIEWS

インタビュー

オンラインで人に近づく

ぼくたちは、フィールドワークやインタビューに代表される質的調査(定性的調査)を重視していますが、新型コロナウィルスの感染拡大にともない、方法そのものの再定義・再編成が必要となりました。とりわけ、人びとの暮らしに接近し、能動的にかかわりながらその意味や価値を理解しようという試みは、対面での「密な」コミュニケーションを前提として成り立っており、現在の状況下では、調査研究そのものが大きな制約を受けています。
いっぽう、会議や講義のオンライン化の試みをとおして、あらたな〈現場観〉が醸成されつつあります。さまざまなメディアを駆使し、さらに時間・空間を再編成することによって、定性的調査のありようはどのように変化するのか。今後も、人びとの移動、集まり、社交などのふるまいをとらえなおし、オンライン環境における質的調査について検討することも、大切な課題になるでしょう。
オンラインのインタビューをもとに綴られた、2020年6月の〈ものがたり〉です。

米永梨紗さん

2020.06.15

彼女のまなざしに映る工事現場や歌舞伎町、そして今会えない人との関係性

彼女は丁寧に挨拶と自己紹介をしてくれた。少し緊張していそうにも見えたが、その口調の中は優しさと強い芯が通っていることを感じさせた。
私たちはインビテーションカードの中に記載した「こんなこと聞かせてください」コーナーから順番に、彼女に話を聞いた。
 

かなちゃん

2020.06.13

中学校最後の1年。いつもの「教室」がなくなった今思うこと

陽子:こんにちは!まず少しだけお互いの自己紹介を。私は大学4年生の陽子です。一緒に取材させてもらうのが、同じ大学の後輩のちか!かなちゃんはスポーツ好きな中学3年生です。今日は2人ともよろしくね!
ちか:お話できるの楽しみにしていました。よろしくお願いします!
かな:今日はよろしくお願いします!
 

富田誠さん

2020.06.24

他大学教員に尋ねる、オンライン授業時代のコミュニケーションの取り方とは。

どの曜日がいいか三人で悩んでいると、富田さんが「とりあえず、教員だし、授業がある金曜日にしようか」と提案してくれた。そうと決まるとすぐに「miro(オンライン上で、共同編集が可能なサービス)で描いていくね」とiPadを用い、富田さんはコロナ禍の金曜日を描きながら、普段の過ごし方を図解していった。
 

メイさん

2020.06.12

家族との時間を大切にしながら、新しいことに挑戦し続けているメイさんにせまる

「お待たせしてしまいました!スーパーからの帰り道でもしもし~!」春の晴れた日を思わせるような明るくて、気さくな声だ。メイさんは窓際に座り、ブラインドから差し込む陽の光が窓辺に小さな影を落としていた。シンガポールではすでに午後6時になっていたにもかかわらず、外はまだ明るい。
 

ニールセン北村朋子さん

2020.06.15

デンマークロラン島が彼女の柔軟性と包容力に富んだ生き様と調和するわけ

時計が18:00にちょうど回った頃、パソコンの画面に赤縁のメガネを頭に乗せ、真っ赤なカーディガンを肩にかけた朋子さんが現れた。画面越しで見える朋子さんの背後には、青空と新緑の木々が煌々と光っていて、夜なのにも関わらずつい「こんにちは」と言ってしまった。朋子さんの背景は決してバーチュアルではなく、リアルな世界であった。
 

平岡慎也さん

2020.06.20

生き様、志の伴走、自分の殻を破るお手伝いがしたい — 教育への情熱で世界を飛び回る夢はコロナより強し

「Global Teachers Program(GTP)」は、先生を目指す大学生を対象に、海外で教育実習ができるプログラムで、運営立ち上げからから4年が経つ。大学卒業後就職した株式会社美京都や京都のNPO法人とのパートナーシップで事業を行っている。
 

唐逸云さん

2020.06.11, 06.21

私たちと何も変わらない。そこにあるのは日本で過ごす彼女の等身大の日常。

昨年の9月末、日本にやってきた。こっちへ来てからは一度も中国に帰らず、ずっと日本、ずっと京都にいる。この留学で初めて日本に来たけれど、すごく好き、帰りたくないくらい。日本に興味を持ち始めたきっかけは、小学6年生のときにお母さんと観た『犬夜叉』というアニメ。それがすごく面白かった。
 

江原渚さん

2020.06.22

デザイン、家族、私。ここで新しく学び、改めて気づく。

午後6時。パソコンの画面を開き、彼女が入ってくるのをそわそわしながら待つ。名前が最初に浮かび上がり、画面が揺れて顔が写った。
「こんにちはー。えっと…江原渚です。今台湾にいます。」
ほんわかした雰囲と笑顔で自己紹介をしてくれた渚さん。
「久しぶりだね」懐かしい話から、インタビューは始まった。
 

長山大貴さん

2020.06.8

暮らしはそんなに悪くなかった。ふりかえるころには、そう思えるはず。

彼にインタビューしたのは、ニュージーランドでのロックダウンが無事終了したあとだった。ニュージーランドでは期間中、非常に厳しいルールのもと飲食店などが多くの企業が閉鎖され、そのおかげもありインタビュー日から直近2週間、新規感染者が0人の状態を維持していた。海外からの感染経路を断つためにも国境や空港は現在も閉鎖しており、そのため大貴さんはニュージーランドで暮らしている家からインタビューに答えてくれた。
 

まーさん

2020.06.11

ていねいに暮らしを進めていく彼女の新しい取り組みと変わらないこと

コロナ禍のなか、彼女は「toggl」というアプリを通じて稼働時間を管理していた。彼女が送ってくれた2日間の記録の写真は共通して、10時台まではピンク、10時から17時までは緑、そのあとは赤の色が目立つ。朝は英語の勉強をし、在宅勤務だがこれまでのコアタイムに合わせて仕事をする。そのあとは大学の研究員として準備をしていることが多い。
 

安藤遥香さん

2020.06.7

自粛期間中でも、毎日の生活を上手く楽しむ夫婦の様子を知ることができた。

「コロナ前と後の変化が見たいんだったら全然参考にならないかもよ~?」と朗らかに遥香さんは言う。それでも1日の流れを、淡々とテンポよく、ときにはこちらの様子も伺って休憩したりしながら教えてくれる。「変わったことといえば、週の半分くらいテレワークになったことかな。家にずっと居るんじゃなくて、たまに同僚と会えたり話したりできるから、本当に苦じゃないっていうか」と語る。
 

大谷史也さん

 

2020.06.16

岩手県生まれ・岩手県育ちの青年の日常、そして未来への熱いビジョンとは

大谷史也さん(以下ふみさん)は株式会社GINGAの代表取締役を務める。GINGAという会社は簡単に言うと、地域密着型の広告代理店。マーケティングの観点から、地域のアセットを見つめ、地域の中でどのような企業が強いのかをみる。彼曰く、地域の企業は特に閉鎖的で、各企業にキーマンはいるものの、キーマン同士が繋がっておらず、なんとももったいない状態であるという。
 

「ちょっと窮屈な毎日」は、2020年度春学期「研究会 A」の一環としておこなったプロジェクトのまとめです。すべてオンラインでおこなうことで、フィールドワークやインタビューのありようについて、考えるきっかけにもなりました。
慶應義塾大学 加藤文俊研究室